消費者庁は10月14日、健康食品や化粧品のネットワークビジネス(NB)を展開する日本アムウェイ(ピーター・ストライダム社長)に対して、特定商取引法に基づく6カ月間の一部業務停止命令を行った。消費者庁によると、日本アムウェイの会員は、SNSやマッチングアプリで知り合った、一般の消費者を誘引する際に、概要書面の交付義務違反や迷惑勧誘などを行っていたとしている。
 消費者庁は、日本アムウェイについて、
(1)氏名等の明示義務違反
(2)勧誘目的を告げずに誘引した者に対する公衆の出入りしない場所における勧誘
(3)迷惑勧誘
(4)概要書面の交付義務違反
の四つの違反を認定した。
 消費者庁が公開した、日本アムウェイの会員の勧誘の事例では、マッチングアプリを通じて知り合った消費者に対して、おいしいご飯が食べられる店がある。一緒に行こう」などと、NBの勧誘である旨を告げずに面会したとしている。
 面会の当日、一般人が出入りしない建物に消費者を連れて行き、別の会員と、フェイスマッサージをしながら、商品の購入や入会の勧誘を行ったという。
 消費者が執拗な勧誘に耐えかねて入会を承諾すると、承諾後に、NBについての説明を始めたという。消費者が、「商品のカタログが欲しい」と言った際には、冊子の交付を拒否。日本アムウェイに関する書類の交付を行わなかったとしている。
 消費者庁によると、全国の消費生活センターに寄せられた、日本アムウェイに関する相談件数は、トラブルについてではないものも含めると、19年から22年までの3年あまりの間に、953件寄せられていたとしている。
 消費者庁では、マッチングアプリやSNSを使った、オンラインでの、マルチ商法の違法な勧誘行為が、特に若者の間で増加しているとして、注意を呼び掛けている。
 日本アムウェイは、今回の業務停止命令について、公式ホームページで、「消費者庁の処分期間中の、新規会員登録と、勧誘を停止いたします。なお、現会員および、お客さまへの小売販売の事業活動については、引き続き継続いたします」と、コメントしている。

https://www.bci.co.jp/nichiryu/article/11591